森時彦さんは、設立当初からのVital Japanメンバーで、現在、外資系ファンド・
アドバイザリー企業の代表、コンサルティング会社代表、BBT大学教授など幅広くご活躍されています。
日本に「ファシリテーション」を広めた先駆者のお一人でもあり、数々のご著書でも高名です。中でも、新しい変革のリーダー像を描いた小説
『ザ・ファシリテーター』と、 その続編『ザ・ファシリテーター2』
ベストセラーとなっています。『ザ・ファシリテーター2』にはVital
Japanも登場。
今回の勉強会では、「ソフト・リーダーシップ」に焦点を当てました。
「ソフト・リーダーシップ」とは、メンバーの多様性を尊重するオープンでインタラクティブなリーダーシップ。ますます重要性の高まるリーダーのあり方であり、手法です。
この3月18日にはその内容を詳述した森時彦さんによる新著
『“結果”の出ない組織はこう変えろ!〜ファシリテーションの応用と実践』
(朝日新聞出版)も刊行。
具体的なスキルの解説のみならず、時事的な問題、「あとがき」での日本の
企業経営と産業政策への熱い提言など密度の濃い内容となっています。
今回は、ファシリテーションの第一人者から、新たなリーダー像とそこで
必要とされるファシリテーションスキルについてプレゼンをいただき、
参加者でのグループワークも行うという贅沢な内容となりました。
勉強会終了後は、レストランにて懇親会を開催。いつものように参加者の交流の輪が広がりました。
スピーカーからのメッセージ
ソフト・リーダーシップが重要な時代になっている。
ソフト・リーダーシップとは、メンバーの多様性を尊重するオープンでインタラクティブなリーダーシップである。そのリーダーシップの源泉は、問題を分かりやすく問い掛ける力、チームから答えを引き出し動機付ける力である。
これに対してハード・リーダーシップは、権威や権力を背景にした上意下達型のリーダーシップである。その力の源泉は、経験や知識、権威や権限、物理的な
強さである。リーダーシップを発揮する上で、この両者に共通する要素もたくさんある。たとえばリーダーの価値観や態度、実績などがそれである。
ソフト・リーダーシップが重要になった背景には、組織の多様性が増したこと、あらゆる情報の電子化が進み、基本的にすべての情報が開示され、共有されてしまう「フラット」な時代になったこと、情報だけでなく、人・もの・金の国際的な移動が手軽になったことがある。ハード・リーダーシップは、多様性や情報が暴露される状況を対処すべき問題と見なすのに対し、ソフト・リーダーシップは、多様性を強みにし、情報が暴露されていく環境を活かすリーダーシップなのである。
今回の勉強会では、このような現状認識を踏まえつつ、参加者の皆さんが自分自身のリーダーシップについて考え、それを鍛えるための方法を議論する場を提供する。自分のリーダーシップをどのように高めていくかについて、指針が得ら
れることを期待している。
“Soft leadership” has become increasingly important in the
globalizing society.
Respecting diversity of team members, the leadership is open
and interactive. The leadership power often comes from their
capability to ask vital questions, let the team think, and
motivate internally.
In contrast, “hard leadership” is defined as directive. Its
power comes from experience, knowledge, authority, position
power, and/or physical strength.
There are several important things common
in exercising leadership: value, behavior, and track records.
In the backdrop of this leadership style shift, there are
some overwhelming changes in the way we live: increasing diversity
of a society/organization, digitalized information of all
kinds including pictures that enables ‘flat’ society in terms
of information flow, and easy transportation system that drives
globalization and diversity.
Hard leadership views diversity and information disclosure
as threats and something they have to deal with, whereas soft
leadership regards them as opportunities and something they
can capitalize on.
It will be in this context that I will provide
an opportunity for the participants to reflect on their leadership
and discuss how to improve it. Hope this study event will
help you come up with specific actions as well as be insightful.
Speakerのご紹介
●森 時彦 Dr. Tokihiko Mori
大阪大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)卒。
工学博士(Ph.D)、経営学修士(MBA)。
神戸製鋼所を経て、GE(ゼネラル・エレクトリック)に勤務。製品開発・マーケティング部門のグローバルリーダー、日本GE役員などの要職を歴任。
その後、半導体自動検査装置最大手 テラダイン(日本法人)の代表取締役を経て、2006年に(株)チェンジ・マネジメント・コンサルティングを設立。組織力の開発、変革マネジメントなどにかかわるプロセスコンサルティング、リーダーシップ育成などを手がける。
2008年からはプライベートエクイティに対するアドバイザリー企業である(株)リバーサード・パートナーズの代表パートナーとしても活躍中。
著書に『“結果”の出ない組織はこう変えろ!』(朝日新聞出版)、新しい変革リーダー像を描いた小説『ザ・ファシリテーター』シリーズ、
『ファシリテーター養成講座』、『ファシリテーターの道具箱』(以上ダイヤモンド社)などがある。『日経情報ストラテジー』『人材教育』など雑誌への寄稿も多い。
BBT大学教授、日本工業大学客員教授、NPO)日本ファシリテーション協会フェロー。
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