英語力を上げるための辞書: 英英辞典?英和辞典?アプリ・電子辞書・紙?

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▼辞書は本当に必要?

外国語を学び始めるとき、入門レベルでは辞書は必ずも必要ありません。大抵の言語では、1500語から2000語程度身につければ日常生活には困りません。このレベルでは入門書を理解し、例文(それとともに単語)を暗記することに集中すればOKです。

中級レベル以上になり、さらにその言語の力を伸ばしてゆこうとすれば辞書は必須。
辞書には単語の意味だけでなく、例文、使い方(語法)、どのような単語と一緒に使われるか(コロケーション)、類語・反意語、発音、語源など、言葉を学ぶための情報が満載です。
分からない単語・発音・使い方に出会ったらすぐに辞書に手を伸ばし、じっくり読むべきです。

例えば、私は紙の辞書を引いて育ちましたが、いま最も使うのはスマホの英英と英和の辞書アプリです。

日常的に様々な英文メディアを読んでいて、気になることがあると辞書アプリで調べます。未知の単語に出会うと辞書を引き、まずは発音記号を見て発音を確認。何度か声に出して、発音ともに綴りを目に焼き付けます。

それから、語義を見て意味を確認し、例文やコロケーションを見て、文の中でどのように使われるか、どのような前置詞や単語ととも使われるのか、原義(もともとの意味)は何なのかを吟味します。さらに語源を見て、どんな言葉から派生したのか、同じ語源から派生した言葉は他にあるのかを確認して、この単語を記憶に残す手掛かりにします。
ちなみに語源は、大抵の英和・英英辞典の各単語の説明の最後に載っています。

ネット検索やスマホ内蔵の辞書機能だけは履歴も残しづらく、その場限りになってしまうため学ぶということを考えると不向きです。毎回手書きでノートに書き写すならばそれも良いですが。

▼どんな辞書がお勧めか? 英英辞典は?

中級以上の英語学習者にお勧めなのは、高校生から大学生向けの学習用の英和辞典(収録語数10万語程度まで)と学習者用の英英辞典(Longman, Cobuild, Oxford, Cambridge等)を使いこなすことです。電子辞書でも、紙の辞書でも、スマホアプリでも構いません。

私は電子辞書も紙の辞書(電子化されていない辞書も未だ多数)も使いますが、最もよく使っているはスマホのアプリ辞書。常に持っているので、気になる言葉があるとどこでもすぐに引きます。

まず引くのは、iPhoneアプリのLongman Dictionary of Contemporary English(『ロングマン現代英英辞典』)これは非ネイティブ向けの学習英英辞典ですが、本当によくできています。
イギリス・アメリカ両方の語法が目配りされており、発音も両方聞けます。(ただし例文は主に英国発音のみ。)
英語学にとらわれず、よく使われる語義から順に並べられ、学習者が疑問に感じるような用法についての解説も豊富。スマホをもっている英語学習者は、ぜひとも使うべき辞書アプリです。

ちなみに英英辞典というと米国人向けのMerriam Websterのような辞書がありますが、用例や学習者向けの解説があまりないため、英語学習者は、Longmanの各種辞書, Collins Cobuild, Oxford Advanced Learner’s Dictionary等の学習辞典を使いましょう。

▼お勧めのスマホアプリ・英和辞典は?

上述の『ロングマン現代英英辞典』以外では、英語を学ぶ人には学習英和辞典を徹底的に使うことをお勧めします。
スマホアプリ化されているものでは、『ジーニアス英和・和英辞典』あたりがいいでしょう。語義だけはなく、語法や文法の解説が豊富なので、意味を調べるだけでなく、ぜひ読み込みましょう。
ジーニアスは10万語レベルの辞書なので、TOEICや英検レベルの学習では十分ですが、語数がもっと欲しい場合には『ウィズダム英和・和英辞典』もおすすめ。語数は15万語レベルあり、語法の解説も充実しています。
これでも足りない場合は『ランダムハウス英和大辞典』ということになります。

▼電子辞書の利点

学習者や英語を常に使うプロなどには、電子辞書(カシオなどの辞書専用端末)も革命的に便利です。多くの辞書をまとめて串刺し検索できるのが何よりいいですね。スマホアプリ同様、検索履歴が残るので復習がしやすいのも紙にはない利点です。英語以外にも様々な辞書やコンテンツが収録されていて、紙だと何十キロ!にもなるコンテンツを気軽に持ち運べるので重宝します。

私は収録語数の多い大辞典(新英和、ランダムハウス)を収録した最上位機種のCASIOエクスワード プロッフェッショナルモデル(2021) を愛用しています。

いずれの辞書を使うにしても、肝心なのは分からないことがあればすぐに引くこと。そして意味を調べて終わりにするのではなく、どのような言葉と一緒に使われるのか(コロケーション)や類語との使い分け方などにも目配りすることです。

こうしたことを日々積み重ねることによって、正しく自然な英語が自ずと身についてきます。

 

このコラムは、Vital English-英語勉強会のメルマガで配信した内容の一部再録です。

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