トランプ政権内部の混乱ぶりが次々と表面化しています。
9月5日付けのNew York Timesには、匿名でトランプ政権の高官がトランプ大統領に抵抗する内部の様子を明かしています。次のリンクで読めます。比較的短い論考なので米国政治に興味のある方は、ぜひ読んでみてください。
●I Am Part of the Resistance Inside the Trump Administration
発売前から内容が伝わり話題となったBob Woodward(ボブ・ウッドワード)による書籍”Fear”が9月11日に発売となりました。Woodwardは、ニクソン政権が倒れるきっかけとなったウォーターゲト事件を告発したジャーナリストで、その後の大統領についても重厚なノンフィクションを書き続けている熟練のジャーナリストです。
私も発売と同時にKindle版をダウンロードして、読み始めましたが、かなり衝撃的内容です。
●“Fear: Trump in the White House” by Bob Woodward
暴言と混乱に満ちたトランプ政権ですが、共和党支持者が政権を評価する大きな理由の一つが、最高裁判事に保守を任命したことです。特に現在進行形で話題なのは、トランプ政権下で二人目となるBrett Kavanaugh(「キャバノー」と発音)を最高裁判事に任命したこと。
最高裁判事は、大統領が任命し、上院(Senate)の承認が必要です。
現在、上院で承認のための公聴会が開かれているところですが、よほどの番狂わせがない限りは、過半数を有する共和党(与党)によって承認されることは間違いありません。
この判事席が空いたのは、Anthony Kennedy判事が引退を表明したことによるものですが、Kennedy判事は保守ではあるものの穏健派で、重要な判決では常のswing voteとして、保守側につくかリベラル側につくかで大きな意味を持っていました。
そこに確実に保守側につくであろうKavanaughが任命されたので、最高裁の今後の判決に大きな影響を与えることが予想されます。
例えば、2015年に最高裁が合憲とした同性婚(same sex marriage)もKennedy判事がリベラルについたためにかろうじて合憲となったものですが、Kavanaughが判事であったらおそらくは否定されていたはず。
そして、リベラルの米国人が最も恐れているのは、妊娠中絶を認めた Roe vs Wade(「ロー・ヴィー・ウェイド」あるいは、「ロー・ヴァーサス・ウェイド」と発音)が覆されることです。
長くなったので、詳細はまたいずれVital English-英語勉強会の時事英語編などで語ります。
このコラムは、Vital English-英語勉強会のメルマガで配信した内容の一部再録です。 ■Vital English-英語勉強会■ |