英語の発音について、よく質問を受けます。
ご要望にお応えして、Vital Englishで、ときどき「英語発音」のセッションも開催しているのですが、今はコロナのためマスク着用が必須で、口の形をお見せすることができず、音も聞きづらいこともあり、残念ながらしばらくは開催できそうもありません。
その代わりと言っては何ですが、そのセッションの最初で私が語っていることを、ここで少しお伝えしようと思います。
発音はどの程度正確にする必要があるか。
英語は、英米人の「民族語」としてだけではなく、世界の「共通語」という性格も現実に持っています。
「共通語」であるならば、不公平が生じないよう、それぞれの国の訛りで堂々と話せば良いということも言えます。
日本人は発音など気にしないで、日本語訛りで話せば良いと思います。一番重要なのは、話す内容なのですから。
ただし、ここで問題があります。
言葉はコミュニケーションの手段です。伝えたいことを、相手にいかにうまく伝えるが問われます。相手に理解してもらわなくては意味がありません。
ですので、相手に理解しやすい英語という観点からは、英米人の音と同じとまではゆかなくとも、相手に理解してもらいやすい、ある程度は正確なレベルの発音を目指した方が良いでしょう。
アメリカ英語であれば、General American(標準アメリカ英語)、
イギリス英語であれば、RP – Received Pronunciation(標準イギリス英語、いわゆるBBC英語)が規範となります。
英米どちらが良いかは好みしだいです。
ヨーロッパでは、主にイギリス英語が学ばれています。アジアでもフィリピンはアメリカ英語ですが、それ以外はイギリス英語が支配的です。
私自身はアメリカ英語で、米国人と同じ発音ができるようになりましたが、日本で生まれ育ち、帰国子女のように幼少期に英語環境で育ったわけではありません。英語を学ぶ過程で、意識的に発音を勉強し、訓練し続けました。
発音を向上させるには、つぎに3つの要素を鍛える必要があります。
1.個別の音:音素レベルの音
2.つながる音:単語や文の中で変化した音
3.プロソディー(韻律):リズム、イントネーション、アクセント等 (いわゆる「英語らしさ」)
まずは、1の個別の音をしっかり区別できるようにする必要があります。
例えば次の単語の母音を区別できますか?
cup, cop, cap
law, low
hurt, heart
個別の音を区別するのに役立つのが「発音記号」です。
ノンネイティブ向けの辞典(英和辞典等)には、IPA(国際音声記号)と呼ばれる発音記号が必ず載っています。私は中学生の時にこの発音記号を覚え、それ以来、発音に自信のない単語に出会うと必ず辞書を引いて確認するようにしています。
発音に強くなるには「発音記号」を、まずはしっかりと覚えることをお勧めします。
ちょうど、月刊誌の『CNN English Express』2020年9月号が、「発音記号の基本」という特集を掲載しています。10ページ程度の記事ですが、コンパクトに基本がよくまとまっていてお勧めです。
アマゾンで紙の雑誌やKindleなどの電子版も入手可能です。付属CDに加え、スマホアプリ等で音声ダウンロードできます。
●『CNN ENGLISH EXPRESS』 2020年9月号[CD&無料DL付]
このコラムは、Vital English-英語勉強会のメルマガで配信した内容の一部再録です。 ■Vital English-英語勉強会■ |