さて、いよいよ米国大統領選挙は、1週間後に迫ってきました。
Swing states(激戦州)の世論調査を4年前のヒラリーの時の数字と比較すると、まだバイデンの勝利が確実とは言い切れませんが、様々なデータや状況を勘案すると、このまま行けばバイデンの当選の方向でしょう。
●激戦州の個別データ
大統領選の基本的な仕組みをちょっと振り返っておくと、
米国の大統領選挙は、一般投票(popular vote)の総数ではなく、州ごとの選挙人(electoral college vote)の数をどれだけとれるかで勝敗が決まります。
選挙人の総数538のうち、過半数の270を取った方が勝者。選挙人は、全米50州とワシントンDCに人口に応じて割り振られています。より正確にいうと、州ごとの連邦議会議員の数と同数。
上院(Senate)は、州の代表としての位置づけですので、人口の多い州も少ない州も2議員づつ。下院(House)は、人口に応じて選挙区が設けられますので、人口の多い州ほど議員が多くなります。人口の少ないアラスカ州などでも、最低1議員は輩出できるため、上院と下院の合計は少なくとも3名。
大統領選挙の選挙人の数も最低3名となります。最大はカリフォルニア州の55人です。メイン州とネブラスカ州の2州を除いては、それぞれの州での投票がわずかでも上回った方がその州の選挙人をすべて獲得する
winner-takes-allのシステム。
多くの州は、“red states”と呼ばれる共和党が勝つことが確実な州と “blue states”民主党が確実な州ですので、“swing states”や“battleground states”などと呼ばれる激戦州の結果が勝敗を左右します。
今回は、特にペンシルバニア州とフロリダ州が注目の的です。この2州をトランプが落とせば、バイデンの勝利が確実となります。
11月3日の投票締め切り後に開票が始まりますが、今回は特に郵便投票(mail in ballot)が多く、州によっては開票まで時間が掛かります。
郵便投票では民主党のバイデン優位と見られていますので、開票が進むに連れて民主党の票が増えてゆく結果となるでしょう。
今日のTwitterでもトランプ大統領は、郵便投票を不正を訴えて、11月3日の開票結果のみ受け入れるように訴えています。
“Big problems and discrepancies with Mail In Ballots all over the USA. Must have final total on November 3rd.” (tweet by Trump)
訴訟合戦となって結果が確定しない、右派による暴力的な妨害行動の可能性など懸念事項も多々。
このコラムは、Vital English-英語勉強会のメルマガで配信した内容の一部再録です。 ■Vital English-英語勉強会■ |